業務及び研究の報告

応用情報システム研究部門
Applied Information Systems Division


1.部門スタッフ

教授 下條真司
略歴:1981 年 3 月大阪大学基礎工学部情報工学科卒業、1983 年 3 月大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻博士前期課程修了、1986 年 3 月大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻博士後期課程修了。1986 年 4 月大阪大学基礎工学部助手、1989年 2 月大阪大学大型計算機センター講師、1991 年4 月大阪大学大型計算機センター助教授、1998 年 4月大阪大学大型計算機センター教授、2000 年4 月より、大阪大学サイバーメディアセンター応用情報システム研究部門教授。情報処理学会、電子情報通信学会、ACM、IEEE、ソフトウェア科学会各会員。

助教授 馬場健一
略歴:1990 年3 月大阪大学基礎工学部情報工学科卒業、1992 年3 月大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻博士前期課程修了、1992 年9 月大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻博士後期課程退学。1992 年10 月大阪大学情報処理教育センター助手、1997 年4 月高知工科大学工学部電子・光システム工学科講師、1998 年12 月大阪大学大型計算機センター助教授、2000 年4 月より、大阪大学サイバーメディアセンター応用情報システム研究部門助教授。1995 年3 月大阪大学博士(工学)取得。電子情報通信学会会員。

講師 野川裕記
略歴:1990 年3 月大阪大学医学部医学科卒業。1990年7 月大阪大学医学部附属病院研修医、1991 年7月国立呉病院研修医。1997 年3 月大阪大学大学院医学研究科博士課程内科専攻修了。1997 年4 月札幌医科大学医学部助手。1999 年6 月札幌医科大学医学部講師、2000 年8 月より、大阪大学サイバーメディアセンター応用情報システム研究部門講師。IEEE、電子情報通信学会各会員。

講師 春本要
略歴:1992 年3 月大阪大学基礎工学部情報工学科卒業、1994 年3 月大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻情報工学分野博士前期課程修了。1994年4 月大阪大学工学部情報システム工学科助手、1999 年11 月大阪大学大型計算機センター講師、2000 年4 月より、大阪大学サイバーメディアセンター応用情報システム研究部門講師となり、現在に至る。IEEE、電子情報通信学会、情報処理学会各会員。

助手 東田学
略歴:1989年 3月東京工業大学理学部数学科卒業、1991 年 3 月東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻修士課程修了、1997 年 3 月大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻博士課程修了。1994 年4 月大阪大学大型計算機センター助手、2000 年4 月より、大阪大学サイバーメディアセンター応用情報システム研究部門助手。

助手 秋山豊和
略歴:1997 年3 月大阪大学工学部情報システム工学科卒業、1999 年3 月大阪大学大学院工学研究科博士前期課程修了、2000 年3 月大阪大学大学院工学研究科博士後期課程退学。2000 年4 月より、大阪大学サイバーメディアセンター応用情報システム研究部門助手。現在に至る。電子情報通信学会、情報処理学会、IEEE 各会員。

2.応用情報システムの構築とセンター業務支援

本研究部門はこれまで旧大型計算機センターの中核的サービスであるスーパーコンピューティングサービス、汎用コンピューティングサービス、ネットワークサービスの企画立案、運営を担ってきた。これらは、学内外に対する重要な責務であるとともに、最先端の研究開発力を駆使した応用情報システムの実践的な研究であるとも位置付けられる。平成13 年1 月には世界最大級の新スーパーコンピュータシステムであるSX5 を導入し、平成14 年に向けて新たな汎用機システム、セキュリティを強化し、高速化を行った大阪大学総合情報通信網(ODINS)第4 期の導入を現在進めている。今後はサイバーメディアセンターの設立に伴い、関連研究部門と協力しながらこれらのサービスを行っていく。

2.1 スーパーコンピュータシステム

これまで4 年間運用してきたNEC 社製SX-4/64M2を更新し、平成13 年1 月5 日から新スーパーコンピュータ・システムNEC 社製SX-5/128M8 の運用を開始した。1.28TFLOPS (64 bit 精度の浮動小数点演算を毎秒1.28 兆回)の処理能力を持ち、1024GB の主記憶容量を持つこのシステムは、導入時点において国内最高性能のシステムであり、世界的にも十指に入る(http://www.top500.org/)。
新システムが旧システムに比べ10 倍もの処理能力を有するにも関わらず、導入以来4 週目にして既に8 割を越える利用率を記録し、通常でも6~9 割程度の利用率を達成している。演算処理性能が研究成果に直結する研究領域において、いかに本システムの必要性が高かったかを示しており、導入後、早期に稼働率を高め安定して研究者にサービスを提供するという、本センターの責務を果たすことができ、ひとまず安堵している。

[参考記事]
阪大Now 2001 年2 月号表紙

2.2 汎用機システム

現在、演算サーバHP 社製Exemplar を中心としたサービスを提供している。平成13 年度末にはシステム更新が控えており、現在その導入手続きを進めている。導入を計画しているシステムは、学術情報データベースをはじめとする情報コンテンツが研究者にとってますます重要度を増している現状を鑑み、並列機による高速なアプリケーション利用環境の提供とともに、情報コンテンツの効果的な提供に重点をおいたシステムとする予定である。

2.3 大阪大学総合情報通信システム

大阪大学総合情報通信システム(ODINS; Osaka Daigaku Information Network System)は、大阪大学内のキャンパスネットワークの名称であり、サイバーメディアセンターがODINS 事務室とともに、設計、管理、運用を行なっている。ODINS は、1994 年の第1 期整備、1996 年の第2 期整備、1998 年の第3 期整備を経て、ATM スイッチをバックボーンとするネットワークを構築し、現在では16000 台以上の端末が接続されている。今年度では、平成12 年度第1 次補正予算においてセキュリティ機能を持つネットワーク構築に関する予算が認められたため、ODINS のセキュリティを向上させるべく、現在、ODINS4 期整備を進めている。ODINS4期整備では、ギガビットスイッチと高速ルータをバックボーンとして構築し、パケットフィルタリングを中心にセキュリティの高いネットワークを構築する予定である。

2.4 電子図書館システム

平成13 年9 月に、図書館の電子化および情報化を推進するための電子図書館システムを導入し運用を開始する予定である。このシステムでは、海外衛星放送受信システム、VODに対応したマルチメディア端末、情報コンセントシステム、資料電子化システム、学術情報データベースなどを導入する予定である。海外衛星放送受信システムは6 チャンネルまでの放送受信に対応しており、受信した放送番組をReal エンコーダによってディジタル化し配信することによって、附属図書館本館、吹田分館、生命科学図書館に配置予定のマルチメディア端末で視聴が可能になる。また、将来的にはODINS を介した学内配信も計画している。

3.研究概要: 応用情報システム構築に向けた技術開発

コンピュータの高性能化、低価格化やインターネット等ネットワークのますますの広域・大規模化に対応するため、コンピュータとネットワークのシームレスな統合を目指したネットワークコンピューティング技術について、主としてコンピュータ間通信の超高速化技術、ブロードバンド時代に必須であるQoS (Quality of Service)技術、広域分散でのコンピューティングアーキテクチャ(GRID)とその応用など、その実現技術の開発を研究している。研究は大学内に留まらず、UCSD との超高圧電子顕微鏡の遠隔制御、本学医学研究科とのMEG 解析など、常に国内外の他大学、他学科、企業との共同研究という形で行われている。具体的には次に掲げるテーマをベースに研究を進めている。

(1) QoS を考慮したネットワーク・アーキテクチャの研究

要求されるサービス品質(QoS)やネットワークの利用状況に応じてマルチメディア通信を行うためのネットワーク・アーキテクチャの提案、評価、ならびに構築を行う。

(2) インターネット・セキュリティの研究

インターネット・コマースなどの応用分野が広がるにつれて、インターネット利用者のセキュリティを守ることがますます重要になってきている。暗号理論ではなく、実用的なインターネット・セキュリティアーキテクチャの実現を目指し、ソフトウェアの設計・開発を行う。

(3) グリッドコンピューティングの研究

複数の超高速計算機を高速ネットワークで接続することでこれまで行えなかった大規模計算が行えるようになる。このような環境を海外の複数拠点と構築し、広域高速ネットワークを通じた実験、またそのさまざまな応用を行う。

4.研究成果と今後の展望

3 章に示した研究テーマをベースとして、具体的に次
のような研究を行っている。
  1. メタコンピューティングを用いたMEG実時間処理システムの開発
  2. Diffserv に基づいたインターネットの通信品質制御アーキテクチャの構成法に関する研究
  3. 適応型マルチメディア・コンテンツ配送技術に関する研究
  4. データベース移動を用いた分散データベースシステムの構築に関する研究
  5. フォトニックネットワークアーキテクチャに関する研究
以下、それらについて述べる。

4.1 メタコンピューティングを用いたMEG 実時間処理システムの開発

情報システムを実際に応用し、社会に役立つシステムを構築していくのが本研究部門の役割である。本研究部門では、高齢化社会に備え、メタコンピューティングを用いて脳機能の解明および脳機能異常の早期発見を可能にするシステムを目指して研究を行っている。具体的には、MEG (MagnetoEncephaloGraphy、脳磁図)の実時間処理システムを開発しつつある。MEGは、神経細胞の電気的活動により生じる磁場をとらえるもので、非侵襲的であり、しかも、時間分解能および空間分解能が高いという利点を持っている。そのため、MEGは、てんかんなどの脳機能異常の早期診断に対する検査手法として、近年、注目されている。しかしながら、MEG 解析の問題点は大きく3 点あり、データが多いこと、解析時間がかかること、ノイズが多いこと、である。とくに、データが多く解析時間がかかることについては、医師がインターアクティブに解析を行う必要があるため、膨大なパラメータースタディを実時間で行うことが要求される。そこで、本研究部門では、メタコンピューティングを用いてMEG の信号処理を実時間で処理できるシステムを構築するべく研究を進めている。さらに、各種の信号処理技法を用いて、MEG のなかに含まれるノイズを軽減する方法についても研究を行っている。
インターネットにおける通信品質(QoS)の改善には、ベストエフォートのままでもネットワークのキャパシティを増大させることにより現実的なQoS が実現可能とするオーバープロビジョニングと呼ばれるアプローチがあるが、専用線や電話など回線ベースのネットワークとの完全な統合を図るには何らかのQoS 制御が必要と言われている。QoS 制御のための機構として、RSVPやMPLS などの様々な技術が開発されているが、スケーラビリティの観点からDiffserv と呼ばれるパケット転送制御方式が有望であるDiffserv では、ネットワークの入口で対象となるパケットに印を付け(DSCP のマーキング)、各ルータはその印を見て、帯域制限や廃棄制御、優先制御などのトラフィック制御を行うとする仕組みであるが、ルータにどのようなトラフィック制御を設定するかなど、Diffserv の使い方については明らかになっていない。本課題では、Diffserv を用いてQoS制御を行うために必要な機能の特定と、その実現法を明らかにすることを目的とする。

メタコンピューティングを用いた並列処理

MEG 解析に必要な膨大なパラメータースタディを実時間で処理するためには、処理能力の高い計算機が必要である。幸いにもMEG 解析に使われる信号処理手法は局所性が高く、並列演算スキームに親和性が高い。そこで、複数の計算機を用いてあたかも1 台の計算機のように演算できるメタコンピューティングパラダイムを用いることにより、計算時間を短縮できるのではないかと考えた。
本研究部門では、Globus というメタコンピューティングスキームを用いて、並列演算システムを実際に構築することで、MMEG 解析における計算時間の短縮を確認した。さらに、医師がインターアクティブに解析を行えるようなGUI を開発し、システムの応答が満足できるものであることを示した。


[関連発表論文]
  1. 伊達進, 水野(松本)由子, 田村進一, 佐藤嘉伸, A ゾルフィレザ, 田渕裕士, 下條真司, 門林雄基, 辰巳治之, 野川裕記, 篠崎和弘, 武田雅俊, 井上健, 宮原秀夫, “脳磁計(MEG)用広域分散コンピューティング環境,” 日本医用工学会誌, pp.47-59, January 2000.
  2. 水野(松本)由子, 田村進一, 佐藤嘉伸, アガイザデゾルフィレザ, 伊達進, 田渕裕士, 篠崎和弘, 鵜飼聡, 石井良平, 井上健, 辰巳治之, 門林雄基, 下條真司, 武田雅俊, 宮原秀夫, “ウェーブレット相互相関解析法を用いた脳磁図解析,” 日本医用工学会誌, pp. 61-70,January 2000.
  3. Yuko Mizuno-Matsumoto, Susumu Date, Yuji Tabuchi, Shinichi Tamura, Yoshinobu Sato,Reza A. Zoroofi, Shinji Shimojo, Youki Kadobayashi, Haruyuki Tatsumi, Hiroki Nogawa, Masatoshi Takeda KazuhiroShinosaki, Tsuyoshi Inouye and Hideo Miyahara, “Telemedicine for evaluation of brain function by a metacomputer,”IEEE Trans. Info. Tech. Biomed., vol.4, no.2, pp.165-172, June 2000.
  4. Susumu Date, Yuko Mizuno-Matsumoto, Shin-ichi Tamura KazuhiroShinosaki, Youki Kadobayashi and Shinji Shimojo, “Diagnosis supporting system for MEG using two-stage parallel processing on computational grids,” in Proceeding of INET 2000 (CDROM), July2000.
  5. Yuko Mizuno-Matsumoto, Susumu Date, Shinji Shimojo Youki Kadobayashi, Haruyuki Tatsumi,Kazuhiro Shinosaki, Masatoshi Takeda, Tsuyoshi Inouye, Shinichi Tamura and Hideo Miyahara,“Evaluation system for brain functionusing MEG, Internet and high performance computing,” in Proceedings of The 12th International Conference on Biomagnetism(Biomag2000),p. 206, August 2000.
  6. 伊達進, 門林雄基, 神尾智, 水野(松本)由子,下條真司, “分散並列コンピューティングの実装上の諸問題について, ” in The Third Workshop on Internet Technology (WIT2000),September 2000.
  7. Date Susumu, Lee Bu Sung, Shimojo Shinji,PremkumarA. Benjamin, Youki Kadobayashi, Bertil Schmidt and Uvaraj Periythamby, “MEG image analysis and visualization,” in Proceedings of The Seminar on IntegratedEngineering,pp. 365-370, December 2000.
  8. Mizuno-Matsumoto Yuko, Lesser R.P., Webber R.S., Motamedi G.K, Kadobayashi Youki,Date Susumu, Shinosaki Kazuhiro and Takeda Masatoshi, “Wavelet-crosscorrelation mapping can reveal how the brain conditions change with brief pulses of stimulation,” Epilepsia,vol. 41, no. Suppl. 7, p. 211, December 2000.
  9. 水野(松本)由子, Lesser R.P., Webber R.S.,井上健, Motamedi G.K., 篠崎和弘, 鵜飼聡,石井良平, 伊達進, 下條真司, 武田雅俊, 田村進一, “脳内電極を用いたてんかん脳波におけるBPS (brief bursts of pulse stimulation)によるAD (afterdischarge)抑制に関するウェーブレット相互相関解析,” 第30 回日本臨床神経生理学会学術大会抄録集,日本臨床神経生理学学会誌印刷中, December 2000.

独立成分分析を用いたノイズ除去

MEGは脳表面から発する微弱な磁場を検出するため、MEG 信号にはどうしてもノイズが混入する。そのため、MEG 解析においてはノイズが混入した信号を処理することとなり、不必要な信号処理を行うことも多い。そこで、MEG 信号のなかから必要な信号のみを取り出す手法として、独立成分分析に注目し研究を行っている。すなわち、独立成分分析を前処理として行うことにより、より効率的な信号処理を目指すものである。
本研究では、独立成分分析を前処理として用いることの妥当性および有効性を示した。

[関連発表論文]
  1. 原健悟, 水野(松本)由子, 伊達進, 野川裕記,篠崎和弘, 下條真司, “並列計算を用いた独立成分分析による脳磁図解析システムの開発,” JAMITFrontier 2001, January 2001.

広域分散環境におけるセキュリティ機能

Globus Toolkit を用いることで、ローカルに大規模な計算リソースを持たないサイトでも、高速な計算環境を構築することができる。しかし、Globus Toolkit では、広域分散計算に参加するユーザおよびホストの認証をおこなうのみで計算対象となるデータの保護は考慮されていない。このためGlobus では、プライバシーに関わるデータを扱うのが困難である。
そこで本研究では、広域分散計算上で取り扱うデータの安全性を確保するため、Globus Toolkit における暗号化環境を構築する。具体的には、IPv6 システム上に、IP 層での暗号化環境を提供するIPsec、IKE を用いて実現する。

4.2 Diffserv に基づいたインターネットの通信品質制御アーキテクチャの構成法に関する研究

課金構造を考慮したQoS 機能を有するネットワークに関する研究

これまでに行ってきた、QoS の予約サービスにおけるドメイン間のネットワーク資源売買モデルの検討に加えて、VoIP(Voice over IP)などマルチメディアの即時サービスにおけるビジネスモデルを検討した。とくに課金の形態について、定額制に限りなく近い従量制料金体系になるとの結論を得た。その結果を踏まえて、QoS をサービスとして提供する際にネットワークに必要となる機能の要求条件を導出し、その必要機能を網羅的にリストアップした。その必要機能の関連性や相互関係を分析することによって、最終的に6 つの網機能コンポーネントにまとめ、全体的な機能構成モデルを考案した。考案した機能構成モデルの妥当性を検証するため、実験室内に実験用ネットワークを構築し、既製品や試作ソフトウェアを組み合わせながら、考案したQoS アーキテクチャのプロトタイプを構成した。プロトタイピングの結果、利便性の高いユーザインタフェースの実現やマルチベンダ環境における所期の動作を確認できたが、網の障害への対処など更なる開発が必要であることが判明した。今後はプロトタイプがサポートするルータ機種やプロトコルの拡大を進め実用性を向上させると共に、本プロトタイプを実ネットワークに適用して広域実験を行い、更なるアーキテクチャの改良を図る予定である。

[関連発表論文]
  1. 八木輝, 木谷誠, 馬場健一, 下條真司, “QoSをサポートしたIP ネットワークにおける課金方式の検討”, 電子情報通信学会技術研究報告IN2000-123, pp. 37-44, November 2000.
  2. Hikaru Yagi, Manzoor Hashmani, Makoto Kitani, Ken-ichi Baba and Shinji Shimojo, “Network functionalities necessary for QoS service provisioning, ” in Proceeding of Internet Workshop 2001 (IWS2001), February 2001.

4.3 適応型マルチメディア・コンテンツ配送技術に関する研究

WWWコンテンツの配送順序制御に関する研究WWW で提供されるページは、HTML 文書およびページに埋め込まれる静止画像やアニメーション画像をはじめとする多数のインラインオブジェクトから構成される。これらのインラインオブジェクトは、クライアントがHTML ファイルを解析した後にサーバに対して順次リクエストが出されるが、そのリクエストの順序は規定されていないため、ユーザにとって重要でないオブジェクトが先に配送されてしまうといったことが発生する。コンテンツを提供する側にとっても、例えば製品の画像を他の画像よりも先に配信して注目してもらいたいといった要求が考えられるが、そのような配送順序を制御する仕組みはこれまで提案されていなかった。本研究では、そのようなWWW ページ中のインラインオブジェクトの配送順序を制御する仕組みとして、配送順序を記述するための言語を提案し、その記述に従ったインラインオブジェクトの配送が可能なプロトコルHTSP (Hypertext Streaming Protocol)を提案している。提案している仕組みを利用すれば、インラインオブジェクトの配送順序を直列配送と並列配送を組み合わせて柔軟に制御することが可能になり、ユーザの待ち時間の短縮が図れることや、コンテンツ提供者の意図したとおりにインラインオブジェクトを配送できることを示した。また、提案した仕組みをキャッシングプロキシが介在する環境にも拡張し、その有効性を示した。

[関連発表論文]
  1. 中野賢, 春本要, 下條真司, 西尾章治郎,“キャッシングプロキシを考慮したWeb ページのインラインオブジェクト配送順序制御機構,”情報処理学会第122 回データベースシステム研究会報告(2000-DBS-122), Vol. 2000, No.69, pp. 299-306, July 2000.
  2. 福村真哉, 中野賢, 春本要,下條真司,西尾章治郎, “マルチメディア・コンテンツ配送のための配送順序決定支援ツールの実現,” 情報処理学会研究報告(データベースシステム研究会2000-DBS-122), Vol. 2000, No. 69, pp.511-518, July 2000.
  3. Kaname Harumoto, Tadashi Nakano, and Shinji Shimojo, “An Architecture for Adaptive Multimedia Content Delivery,” New Generation Computing, Vol. 18, No. 4, pp. 375-389,Ohmsha, Ltd. And Springer-Verlag, September2000.
  4. 中野賢, 春本要, 下條真司, 西尾章治郎,“インラインオブジェクトの配送順序制御が可能なページ配送機構,” 電子情報通信学会論文誌D-I, Vol. J84-D-I, No. 2, pp. 155-164,February 2001.
  5. 藤本拓, 中野賢, 春本要, 西尾章治郎, “キャッシングプロキシにおけるWWW コンテンツの効率的な転送方式,” 電子情報通信学会第12 回データ工学ワークショップ(DEWS2001),March 2001, 発表予定.
  6. Tadashi Nakano, Kaname Harumoto, Shinji Shimojo, and Shojiro Nishio, “Extending Hypertext Streaming Protocol to Realize Effective Web Page Transmission Via a Caching Proxy,”in Proceedings of 16th ACM Symposium on Applied Computing (SAC2001), (Las Vegas),March 2001, to appear.

4.4 データベース移動を用いた分散データベースシステムの構築に関する研究

広域分散データベースシステムの高速化近年、ATM (Asynchronous Transfer Mode: 非同期転送モード)方式を中心としてネットワーク技術が急速に発展し、それに伴ってデータ通信に用いることのできるネットワークの帯域幅も急速に拡大している。従来の分散データベースシステムでは、転送するデータ量
の削減が性能向上の重要な要因であったため、データベースを特定のサイトに固定し、処理依頼と処理結果のメッセージ交換によって処理を行っていた。これに対して、広帯域ネットワークを利用すればデータベース全体の転送も短時間で行えるため、データベースを移動してそれに対する処理をローカルに行うことで通信の回数を減らすことが可能となる。そこで、我々の研究グループではこのようなデータベース自体を移動してトランザクション処理を行う手法(データベース移動)を提案し、さらに、移動機能を有する分散データベースシステムを提案している。本研究では、これらの提案に基づき、実環境におけるデータベース移動の実現について議論し、データベース移動を有する分散データベースシステム、および、データベース移動を用いる上で必要となるシステムのモニタリング機構を実現した。
実現したシステムでは、データベース移動を用いた処理(移動処理)が従来のデータベース固定型の処理(固定処理)に比べて常に処理時間が短いとは限らないことを考慮して、固定処理と移動処理を適応的に選択する手法を用いてトランザクションを実行する。データベースをディスク上に記録すると、ディスクアクセスがボトルネックとなりデータベース移動に大きな時間がかかってしまう。近年の主記憶の価格低下に伴い、主記憶データベースを現実的に利用できるようになってきたことから、実現したシステムでは主記憶データベースを用いることで、データベース移動を高速化した。
また、実現したシステムではデータベースが移動するため、システムの運用管理において、従来の分散データベースシステムとは異なる機構が必要となる。実現したシステムではユーザに対してデータベースの位置透過性を提供しているため、ユーザは問合せ時にデータベースの位置を意識することなく目的のデータベースにアクセスできる。しかし、システムの運用管理を行う際には、システム内で自動的に移動するデータベースの位置を、システム管理者が把握できるような機能が必要となる。また、トランザクションの処理時間は、データベース移動のタイミングや頻度の影響が大きいため、データベースの移動を調節する機能が必要となる。本研究では以上のような機能を提供するため、管理者用のモニタリング機構を実現した。

[関連発表論文]
  1. 酒井仁, 海貝明道, 秋山豊和, 原隆浩, 塚本昌彦, 西尾章治郎, “データベース移動に基づく分散データベースシステムDB-MANα の設計と実装,” 情報処理学会論文誌, vol. 41,no.11,pp. 3092-3102, December 2000.
  2. 秋山豊和, 海貝明道, 酒井仁, 原隆浩, 塚本昌彦, 西尾章治郎, “DB-ManMos:データベース移動機能をもつ分散データベースシステムのためのモニリング機構,” 情報処理学会マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム論文集, pp.175-180, June 2000.

4.5 フォトニックネットワークアーキテクチャに関する研究

近年の光伝送技術の発展には目覚しいものがあり、波長分割多重技術や光時分割多重技術などに、よってネットワークの回線容量は爆発的に増大してきた。しかし、光伝送技術とネットワーキング技術はおのおの別個の歴史を持ち、インターネットに適した光通信技術の適用形態については明らかになっていないのが現状である。短期的には、高性能光パスネットワークがその中心技術になると考えられ、その点に着目した研究を行っている。さらに長期的な解としては、フォトニックネットワーク独自の通信技術も十分に考えられる。これらの点を鑑みて、それぞれの研究テーマに取り組んでいる。

光圧縮技術を用いたフォトニックネットワークにおけるパス設計手法

近年、OTDM方式に光パルスの圧縮/伸長技術を適用し、数Gbps から100Gbpsの伝送容量を提供する高速な光リングネットワークによるMAN (Metropolitan Area Network) を構築することが可能になりつつある。また、WDM 技術を併用することにより、各リンク上に複数コネクションを同時に設定し、さらに広帯域を利用することが考えられる。しかしながら、リングに接続している各ノードのパケット処理能力が劣ると、その広帯域性を十分に有効利用できない場合もある。そこで、本研究では、接続されたノード間のすべてのトラフィックを収容する場合を考え、対象とするリングネットワークにおける最大性能を理論的に解析し、次に、任意のトラフィック要求と波長数に適応できるパス設定アルゴリズムを提案してその評価を行った。
リング型ネットワークにおいては、故障が発生した場合の影響が大きいことから、信頼性の高いネットワークの構築が重要とされる。そこで本研究では、光パルス圧縮/伸長技術に基づく光圧縮TDM 方式を用いたリングネットワークの耐故障性を考慮した設計手法を提案した。具体的には、4 つのパス/リンク切断時の対処手法を提案し、それぞれのリングネットワークに接続された全ノード間のパスを設定するのに必要となるスロット、フレーム数の理論的下値を導出した。それによって、各種パラメータがフレーム数、スロット数に与える影響を明らかにすることができた。次に、信頼性を考慮したパス設定アルゴリズムを提案し、各耐故障処理手法における最適な結果を達成するパラメータ領域が存在することを示している。

[関連発表論文]
  1. Kazuhiro Gokyu, Ken-ichi Baba and Masayuki
    Murata, “Scheduling algorithm for uniform/
    nonuniform traffic in unidirectional optical
    compression TDM/WDM rings with tuning
    latency,” submitted to ACM Transactions on
    Optical Networks and Systems (TONS), January
    2001.
  2. Kazuhiro Gokyu, Ken-ichi Baba and Masayuki
    Murata, “Path accommodation methods for
    bidirectional rings with optical compression
    TDM,” submitted to ACM Transactions on
    Optical Networks and Systems (TONS), May
    2000.
  3. 後久和宏, 馬場健一, 村田正幸, “光圧縮TDM 方式を複数波長に用いたリングネットワークにおけるパス設計手法,” 電子情報通信学会技術研究報告SSE2000-129, pp. 85-90,September 2000.
  4. Kazuhiro Gokyu, Ken-ichi Baba and Masayuki Murata, “Path accommodation methods for unidirectional rings with optical compression TDM,” IEICE Transactions on Communications,vol. E83-B, no. 10, pp. 2294-2303,October 2000.
  5. 馬場健一, 山口貴詩, 後久和宏, 村田正幸,“光圧縮TDM方式を用いた高信頼リングネットワークの設計手法,” 電子情報通信学会フォトニックネットワークをベースとする次世代インターネット技術(PNI)研究会, March 2001.

5.特記事項

5.1 学会などに対する貢献

今年度の主な学会等における活動(下條教授)。
  1. 分散型マルチメディアプラットフォーム分科会 主査
  2. The 11th International Packet Video Workshop(PV 2001)
  3. The Second Kyoto meeting on Digital Citiesプログラム委員
  4. International Conference on Human Society Country General Co-Chair
  5. JSPS Workshop on Applied Information Technology for Science (JWAITS 2001)プログラム委員長
  6. 電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ研究会専門委員長

5.2 プロジェクト研究

以下に今年度取り組んだ主なプロジェクト研究課題を
示す。
  1. 通信・放送機構「次世代広帯域ネットワーク利四技術の研究開発プロジェクト(GENESIS)」
  2. 日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業「マルチメディア・コンテンツの高次処理の研究」
  3. 日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業「高度マルチメディア応用システム構築のための先進的ネットワークアーキテクチャの研究」
  4. 通信・放送機構研究開発用ギガビットネットワーク(JGN)プロジェクト(5 テーマ)
  5. サイバー関西プロジェクト

5.3 その他

SC2000 における講演
2000 年11 月4 日から10 日にかけて、Dallas で開催された国際会議SC2000 に参加した。SC2000 は1989 年から毎年1 回開催されている高性能計算機および高速通信に関する国際会議で、併設される展示会場では多くの企業や研究機関による最新技術を駆使したデモンストレーションが行われる。我々は、今回展示会場に出展し、サイバーメディアセンターおよびセンターに新規導入されたスーパーコンピュータSX-5 の紹介を行った。また、応用情報システム研究部門での研究紹介として、広域分散計算環境を用いた脳磁図データ解析およびIPv6 ネットワークを用いたDallas-大阪間でのDV 転送のデモンストレーションを行った。

産官学連携紹介記事

「世界が注目日本のQoS技術」阪大ニューズレター,No.11, P.9-10 (2001 年3 月).

6. 研究発表論文一覧

6.1 学術論文誌

  1. 伊達進, 水野(松本)由子, 田村進一, 佐藤嘉伸, A ゾルフィレザ, 田渕裕士,下條真司, 門林雄基, 辰巳治之, 野川裕記, 篠崎和弘, 武田雅俊, 井上健, 宮原秀夫, “脳磁計(MEG)用広域分散コンピューティング環境,” 日本医用工学会誌, pp.47-59, January 2000.
  2. 水野(松本)由子, 田村進一, 佐藤嘉伸, アガイザデゾルフィレザ, 伊達進, 田渕裕士, 篠崎和弘, 鵜飼聡, 石井良平, 井上健, 辰巳治之, 門林雄基, 下條真司, 武田雅俊, 宮原秀夫, “ウェーブレット相互相関解析法を用いた脳磁図解析,” 日本医用工学会誌, pp. 61-70,January 2000.
  3. Kazuhiro Gokyu, Ken-ichi Baba and Masayuki Murata, “Path accommodation methods for bidirectional rings with optical compression TDM,” submitted in ACM the Transactions onOptical Networks and Systems (TONS), May2000.
  4. Yuko Mizuno-Matsumoto, Susumu Date, Yuji Tabuchi, Shinichi Tamura, Yoshinobu Sato, Reza A. Zoroofi, Shinji Shimojo, Youki Kadobayashi, Haruyuki Tatsumi, Hiroki Nogawa, Masatoshi Takeda KazuhiroShinosaki, Tsuyoshi Inouye and HideoMiyahara, “Telemedicine for evaluation of brain function by a metacomputer,” IEEE Trans. Info. Tech. Biomed., vol. 4, no.2, pp.165-172, June 2000.
  5. Kazuhiro Gokyu, Ken-ichi Baba and Masayuki Murata, “Path accommodation methods for unidirectional rings with optical compression TDM,” IEICE Transactions on Communications,vol. E83-B, no.10, pp.2294-2303, October 2000.
  6. Mizuno-Matsumoto Yuko, Lesser R.P., Webber R.S., Motamedi G.K, Kadobayashi Youki, Date Susumu, Shinosaki Kazuhiro and Takeda Masatoshi, “Wavelet-crosscorrelation mapping can reveal how the brain conditions change with brief pulses of stimulation,” Epilepsia, vol. 41, no. Suppl. 7, p. 211, December 2000.
  7. 酒井仁, 海貝明道, 秋山豊和, 原隆浩, 塚本昌彦, 西尾章治郎, “データベース移動に基づく分散データベースシステムDB-MANα の設計と実装,” 情報処理学会論文誌, vol. 41,no.11, pp. 3092-3102, December 2000.
  8. Kaname Harumoto, Tadashi Nakano and Shinji Shimojo, “An architecture for adaptive multimedia content delivery, ” New Generation Computing, vol. 18, no. 4, pp. 375-389, 2000.
  9. Kazuhiro Gokyu, Ken-ichi Baba and Masayuki Murata, “Scheduling algorithm for uniform/nonuniform traffic in unidirectional optical compression TDM/WDM rings with tuning latency,” submitted in ACM the Transactions on Optical Networks and Systems (TONS), January 2001.
  10. 中野賢, 春本要, 下條真司, 西尾章治郎,“インラインオブジェクトの配送順序制御が可能なページ配送機構,” 電子情報通信学会論文誌D-I, vol. J84-D-I, no. 2, February 2001.

6.2 国際会議会議録

  1. Takahiro Hara, Kaname Harumoto, Masahiko Tsukamoto and Shojiro Nishio, “Dynamic replica allocation using database migration in broadband networks,” in Proceedings of International Conference on Distributed Computing Systems, pp. 376-384, April 2000.
  2. Susumu Date, Yuko Mizuno-Matsumoto, Shin-ichi Tamura KazuhiroShinosaki, Youki Kadobayashi and Shinji Shimojo, “Diagnosis supporting system for MEG using two-stage parallel processing on computational grids,” in Proceeding of INET 2000 (CDROM), July 2000.
  3. Yuko Mizuno-Matsumoto, Susumu Date, Shinji Shimojo Youki Kadobayashi, Haruyuki Tatsumi, Kazuhiro Shinosaki, Masatoshi Takeda, Tsuyoshi Inouye, Shinichi Tamura and Hideo Miyahara,“Evaluation system for brain function using MEG, Internet and high performance computing,” in Proceedings of The 12th International Conference on Biomagnetism (Biomag2000),p. 206, August 2000.
  4. Shojiro Nishio, Katsumi Tanaka, Yasuo Ariki, Shinji Shimojo, Masahiko Tsukamoto, Masatoshi Arikawa, Keishi Tajima and Kaname Harumoto,“An advanced processing environment for managing the continuous and semistructured features of multimedia content,” in Proceedings of 2000 ADBIS-DASFAA Symposium on Advances in Databases and Information Systems, September 2000
  5. 伊達進, 門林雄基, 神尾智, 水野(松本)由子,下條真司, “分散並列コンピューティングの実装上の諸問題について, ” in The Third Workshop on Internet Technology (WIT2000),September 2000.
    (6) Kazuhiro Gokyu, Ken-ichi Baba and Masayuki Murata, “Path setup algorithms for uniform/nonuniform traffic in unidirectional optical compression TDM rings,” in Proceedings of SPIE Opticomm 2000, pp. 98-109, October2000.
  6. Date Susumu, Lee Bu Sung, Shimojo Shinji,PremkumarA. Benjamin, Youki Kadobayashi, Bertil Schmidt and Uvaraj Periythamby, “MEG image analysis and visualization,” in Proceedings of The Seminar on Integrated Engineering,pp. 365-370, December 2000.
  7. Hikaru Yagi, Manzoor Hashmani, Makoto Kitani,Ken-ichi Baba and Shinji Shimojo, “Network functionalities necessary for QoS serviceprovisioning,” in Proceeding of Internet Workshop 2001 (IWS2001), February2001.
  8. Tadashi Nakano, Kaname Harumoto, Shinji Shimojo and Shojiro Nishio, “Extending hypertext streaming protocol to realize effective web page transmission via a caching proxy,” in Proceedings of the 2001 ACM Symposium on Applied Computing, March 2001.

6.3 口頭発表(国内研究会など)

  1. 秋山豊和, 海貝明道, 酒井仁, 原隆浩, 塚本昌彦, 西尾章治郎, “DB-ManMos: データベース移動機能をもつ分散データベースシステムのためのモニリング機構,” 情報処理学会マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム論文集, pp.175-180, June 2000.
  2. 高野真, 児玉俊輔, 豊城かおり, 白井剛, 下條真司, 宮原秀夫, “受講者の状態把握を支援する遠隔講義支援システムの提案,” マルチメディア分散協調とモバイル(DICOMO2000)シンポジウム論文集, June 2000.
  3. 中野賢, 春本要, 下條真司, 西尾章治郎,“キャッシングプロキシを考慮したWeb ページのインラインオブジェクト配送順序制御機構,” 情報処理学会第122 回データベースシステム研究会報告(2000-DBS-122), pp.299-306, July2000.
  4. 工藤祐介, 春本要, 西尾章治郎, “知識獲得を用いて圧縮されたデータベースのための索引機構の実現,” 情報処理学会第122 回データベースシステム研究会報告(2000-DBS-122),pp.423-430, July 2000.
  5. 福村真哉, 中野賢, 春本要, 下條真司, 西尾章治郎, “マルチメディア・コンテンツ配送のための配送順序決定支援ツールの実現,” 情報処理学会第122 回データベースシステム研究会報告(2000-DBS-122), pp.511-518, July2000.
  6. 後久和宏, 馬場健一, 村田正幸, “光圧縮TDM 方式を複数波長に用いたリングネットワークにおけるパス設計手法,” 電子情報通信学会技術研究報告SSE2000-129, pp. 85-90,September 2000.
  7. 八木輝, 木谷誠, 馬場健一, 下條真司, “QoSをサポートしたIP ネットワークにおける課金方式の検討,” 電子情報通信学会技術研究報告IN2000-123, pp. 37-44, November 2000.
  8. 野川裕記, 宮司正道, 明石浩史, 小林悟史,青木文夫, 辰巳治之, “実験衛星回線を用いたBGP4 (BorderGatewayProtocol version 4)による経路制御の実際,” 第20 回医療情報学連合大会論文集, 浜松, 日本医療情報学会,pp.3-C-3-4, November 2000.
  9. 宮司正道, 明石浩史, 水島洋, 秋山昌範, 田中博, 小林悟史, 表雅仁, 野川裕記, 辰巳治之, “MDX (MeDical Internet eXchange)におけるIPv6 化計画の全国展開への第一歩,” 第20 回医療情報学連合大会論文集, 浜松, 日本医療情報学会, pp. 3-C-3-5, November2000.
  10. 表雅仁, 宮司正道, 明石浩史, 水島洋, 秋山昌範, 小林悟史, 野川裕記, 辰巳治之, “北海道地域ネットワーク協議会における次世代インターネットプロトコール(IPv6)利用実験における問題点,” 第20回医療情報学連合大会論文集, 浜松, 日本医療情報学会, pp.3-C-3-6,November 2000.
  11. 水野(松本)由子, Lesser R.P., Webber R.S.,井上健MotamediG.K. 篠崎和弘,鵜飼聡, 石井良平, 伊達進, 下條真司, 武田雅俊, 田村進一, “脳内電極を用いたてんかん脳波におけるBPS (brief bursts of pulse stimulation)によるAD (afterdischarge)抑制に関するウェーブレット相互相関解析,” 第30 回日本臨床神経生理学会学術大会抄録集, 日本臨床神経生理学学会誌印刷中, December 2000.
  12. 木谷誠, “サービスの信頼性とビジネスモデルを考慮したDiffserv ネットワーク・アーキテクチャの設計,” WIDE 研究会, December 2000.
  13. 神尾智, “広域分散計算における暗号化環境の構築,” WIDE 研究会, December 2000.
  14. 原健悟, 水野(松本)由子, 伊達進, 野川裕記,篠崎和弘, 下條真司, “並列計算を用いた独立成分分析による脳磁図解析システムの開発,” JAMIT Frontier 2001, January 2001.
  15. 藤本拓, 中野賢, 春本要, 西尾章治郎, “キャッシングプロキシにおけるWWW コンテンツの効率的な転送方式,” 電子情報通信学会第12 回データ工学ワークショップ論文集,2 回データ工学ワークショップ論文集, January2001.投稿中.
  16. 馬場健一, 山口貴詩, 後久和宏, 村田正幸,“光圧縮TDM方式を用いた高信頼リングネットワークの設計手法,” 電子情報通信学会フォトニックネットワークをベースとする次世代インターネット技術(PNI)研究会, March 2001.
  17. 岡本道也, 鎌原淳三, 下條真司, 宮原秀夫,“動的生成されたシナリオを用いた個人化コンテンツの自動生成,” 電子情報通信学会第12回データ工学ワークショップ(DEWS2001),March2001.
  18. 竹内亨, 鎌原淳三, 下條真司, 宮原秀夫,“ユーザ間の関連性に基づいた連続的情報転送モデル,” 電子情報通信学会第12回データ工学ワークショップ(DEWS2001), March 2001.
  19. 浅川智文, 鎌原淳三, 下條真司, 宮原秀夫,川口知昭, 山口陽一, “ユーザの嗜好の部分的な類似性を利用した情報推薦手法の提案,”電子情報通信学会第12 回データ工学ワークショップ(DEWS2001), March 2001.

6.4 2000 年度特別研究報告・修士論文・博士論文

卒業研究報告

  1. 小林幸司, “携帯端末を用いたWWWブラウジングのためのユーザインタラクションによる詳細
    度制御機構,” 大阪大学工学部特別研究報告, February 2001.
  2. 原健吾, “独立成分分析による脳磁図解析システムの設計と実装,” 大阪大学工学部特別研究報告, February 2001.
  3. 趙維庚, “Diffserv に対応したルータを設定するための共通API の設計,” 大阪大学工学部特別研究報告, February 2001.

修士論文

  1. 木谷誠, “サービスの信頼性を拡張したQoSネットワーク・アーキテクチャの研究”, 大阪大学工学部修士学位論文, February 2001.
  2. 神尾智, “広域分散計算における暗号化環境の構築, ” 大阪大学工学部修士学位論文,February 2001.