規程集

大阪大学サイバーメディアセンターネットワーク利用者ガイドライン

1. はじめに

 大阪大学総合情報通信システム(ODINS: Osaka Daigaku Information Network System) で提供されるコンピュータネットワーク及びそれに接続されているすべてのコンピュータ・通信機器、及びそれらの上で動作する通信ソフトウェアは、教育・研究を目的とした設備であり、ODINS 運用本部によって運用管理されています。ODINS が提供するサービスを利用する資格を与えられた者は、本ガイドラインを遵守して国有財産であるODINS の円滑な運用の維持に協力しなければなりません。また、教育研究を通じて、学術社会のみならず産業社会、市民社会、さらには地域社会に貢献できるように利用しなければなりません。サイバーメディアセンターネットワークは、ODINS の一部を構成するものであり、サイバーメディアセンターの教職員・学生及びこれらに準ずる者の全員は上記の目的をよく理解しなければなりません。このガイドラインは、ODINS の目的を効果的に達成できるように、サイバーメディアセンターネットワークの利用上の注意事項をまとめたものです。
 なお、サイバーメディアセンター教育用計算機システムの利用においては、教育用計算機システム利用者ガイドラインや教育用計算機システム利用細則が定められていますので、それらにも従ってください。

2. ODINS と学外ネットワーク

 学外との通信は、ODINS と広域通信ネットワークとの相互接続によって行われています。広域通信ネットワークは、学術目的のネットワークのみならず商用目的のネットワークなども相互に接続されており、それぞれのネットワークの規模や性能も様々です。例えば、米国の大学のWeb サイト(いわゆるホームページ)を見るためには、いくつかのネットワークを経由してデータが送受信されます。学外のネットワークはODINS 内部に比べて通信容量が小さいことを覚えておくべきです。すなわち同じデータ量を送受信しても、通信容量の小さいネットワークにかかる負担は、ODINS にかかる負担より大きくなります。従って、無用な大量のデータを送受信することは、できるだけ避けるべきでしょう。ODINS を利用すると世界中にアクセスできますが、ネットワークにはそれぞれの運用規則があり、またそれを支える多くの人達がいることを忘れてはなりません。

3. ODINS の利用にあたって避けるべき行為

 ODINS は物理的にはコンピュータ同士を接続するものですが、接続されているコンピュータを利用するのは人間です。社会常識に従い、相手に対する配慮をもって利用してください。利用に当たっては、以下の行為は避けねばなりません。  なお、サイバーメディアセンターネットワークではその安全かつ適正な運用のために、計算機の利用時間やアクセス先などの利用履歴がとられており、上記の行為が発見された場合には当該利用者のODINS の利用を以下のような措置をとって制限します。

3.1 法令又は公序良俗に反する行為

 ODINS での行為は治外法権ではありません。日本国内においては日本国内法が適用されます。特に関連の深い法令としては、著作権法などの知的財産権諸法、いわゆる不正アクセス禁止法、刑法、民法、商法などがあります。また、外国に影響を及ぼすときは外国法の適用を受ける可能性があることにも留意せねばなりません。例えば、次のような行為をしてはなりません。また、自ら行わなくても、他にこれを行わせた場合でも、違法とされることがあります。さらに、法令で定められていなくても、一般社会でしてはならない行為があります。

(1) 基本的人権の侵害
 ネットワークの利用に限らず、基本的人権を尊重しなければなりません。

(2) 差別的表現のネットワーク上での公開
 人種・性別・思想信条などに対する差別的な発言をネットワークで公開することは、日本国憲法の定める基本的人権尊重の精神に反することとなります。

(3) 誹謗中傷を行うこと
 ネットワークの利用に限ったことではありませんが、他人を誹謗中傷することは名誉毀損で訴えられることがあります。

(4) プライバシーの侵害
 ODINS 利用者の個人情報は尊重されますが、利用者は他人の個人情報も尊重しなければなりません。個人情報や私信などを無断で公開してはなりません。

(5) 利用資格のないコンピュータや通信機器への侵入ODINS の内外を問わず、ネットワーク上の利用資格のない コンピュータや通信機器を使用してはなりません。ODINS から他組織のネットワークへ不正に侵入した場合、大阪大学全体が外部のネットワークとの接続を切られるだけでなく、場合によっては国際問題に発展する可能性があります。また、他組織への不正な侵入を試すようなことも絶対にしてはなりません。また、侵入しなくとも、ネットワーク上を流れるデータを読み取るような盗聴行為も絶対にしてはなりません。

(6) 知的財産権の侵害
 知的財産権は、人間の知的創作活動について創作者の権利に保護を与えるものです。絵画・小説・ソフトウェアなどの著作物、デザインの意匠などを尊重することに心がけて下さい。著作物の無断複製や無断改変はしてはなりません。
 例えば、本・雑誌・Web ページなどに提供されている文章・図・写真・映像・音楽などを、無許可で複製あるいは改変して、自分のWeb ページで公開したり、ネットニュースに投稿したりしてはいけません。著作権の侵害だけではなく、会社のロゴや商品を示す商標については商法・商標法などの侵害に、芸能人の写真など肖像については肖像権の侵害になることがあります。また、大学が使用許諾契約を結んでいるソフトウェアやデータをコピーしてはなりません。

(7) わいせつなデータの公開
 ODINS を用いてわいせつな画像・音声などを公開してはなりません。また、それらへのリンクを提供してはなりません。

(8) 利用権限の不正使用
 利用者は、有償無償を問わず、自分の利用権限(アカウント)を他人に使わせてはなりません。利用者は、パスワードを厳格に管理する責任があります。本人のログイン名で他人に計算機やネットワークを使用させることも、ファイル格納領域などのネットワーク資源を他人に使わせることもこれに含まれます。また、他人のログイン名でログインすること、及び、他人のログイン名を騙って、電子メール・ネットニュース・電子掲示板を使用してはなりません。

(9) ストーカ行為及び嫌がらせ行為をすること
 ネットワークを通じて、相手が嫌がるような内容のメールを一方的に送るなどの行為や大量のデータを送りつけるなどの行為はしてはなりません。

3.2 教育・研究目的に反する行為

 ODINS は教育・研究の円滑な遂行に資するために運用されています。教育、研究及びその支援という設置目的から逸脱する以下のような行為は、利用制限などの処分の対象になることがあります。

(1) 政治・宗教活動
 本ネットワークは国有財産ですから、特定の政治・宗教団体に利便を供するような活動に用いてはいけません。

(2) 営利を目的とした活動の禁止
 広告・宣伝・販売などの営利活動のためにWeb ページや電子メールを用いてはなりません。塾のプリントを作成したりすることもこれに含まれます。

(3) 目的外のデータの保持
 個人のファイル領域やWeb ページ領域に、教育・研究の目的に合致しないものを置いてはなりません。

3.3 ODINS の円滑な運用を妨げる行為

 ODINS の運用を妨害する行為は禁止します。物的な加害は言うまでもなく、例えば、ODINS ネットワークに悪影響を与えたり、他の利用者に迷惑をかけたりするような過剰な利用は避けねばなりません。
また、以下の行為は禁止されています。
(1) ODINS 通信機器の配線及び周辺機器の接続構成を変更すること。また、そのようなことを試みること。
(2) ネットワークのソフトウェアの構成を変更すること。また、そのようなことを試みること。
(3) ネットワークの正常な機能を損なうようなソフトウェアを導入したり、利用したりすること。また、そのようなことを試みること。
(4) 不必要に大量のファイルを一度に送受信するなど、ネットワークの正常な機能を損なうような通信をすること。

4. ネットワークを快適に利用するために

 法令や公序良俗に反せず、教育・研究目的に合致した利用であっても、注意すべきことがいくつかあります。ここでは簡単に触れておきます。

(1) 品位をもって利用する
 大阪大学の構成員としての品位を保って利用すべきことは言うまでもありません。品位に欠けるメッセージの発信は謹んで下さい。

(2) 他人を思いやって利用する
 大量のデータを送受信したりすると、ODINS ネットワークを利用している他の人に迷惑をかけることになりますから、十分注意してください。メールソフトで、メールの到着状態を調べる時間間隔を極端に短くするなども、そのシステムを共有している利用者への迷惑になりますし、運用妨害になることもあります。また、サイバーメディアセンターの教育用計算機システムのように共同で利用するコンピュータ設備は、ネットサーフィンで占有したりせずに、他人に対する思いやりをもって利用してください。

(3) パスワードを適正に管理する
 パスワードはあなたが正規の利用者であることを確認するために大切なものです。自分のパスワードを友人に教えたり、友人のパスワードを使ってコンピュータを用いたりしてはなりません。パスワードを教えた人、教えてもらって利用した人の双方が責任を負うことになります。パスワードの文字列に工夫する、手帳や携帯電話機などにメモしない、パスワードを定期的に変更することです。他人がパスワードを入力するときには、その人の手元を見ないという配慮もよく行われています。アカウントを盗用されても、直接的な経済的不利益は被らないかもしれません。しかし、例えば、パスワードを知られたために、自分のアカウントから他人を侮辱する内容の電子メールが発信された場合、あなたが侮辱行為者として扱われます。また、あなたのアカウントを利用して他の計算機への侵入行為が行なわれた場合(これを踏台アタックと呼びます)、アカウントを盗用された被害者が、まず最初に犯人として疑われるのです。

(4) プライバシーを守る
 共用のサーバコンピュータに置かれたファイルには、他の利用者から読まれないようにアクセス権限を設定できることが多いので、適切に設定しましょう。誰からも読める、または誰からも書き込めるという状態は非常に危険です。また、他人のファイルが読めるようになっていたとしても、無断でその内容を見ることはやめましょう。Web ページ・ニュース・掲示板などに、個人のプライバシー情報を提供することも危険につながります。

(5) ODINS のセキュリティ保持に協力する
  上記(1)~(4)の他に、ODINS のセキュリティを保持するために、利用者自身が注意すべきことがあります。例えば、コンピュータウィルスを持ち込まない、不信な発信元からのメールを開かない、自分の管理しているコンピュータにウィルス対策ソフト(ワクチンソフト)を導入しウィルス検知パターンを常に最新状態に保つ、ODINS の故障や異常を見つけたら速やかに管理者に通報する、などがこれに該当します。

(6) ネチケットを守る
  一般にネットワークを快適に利用する際に注意すべきことがいくつかあります。これらは、主にネットワーク・エチケット(略してネチケット)を呼ばれるものです。詳しくは、ネチケットのWeb サイト(例えば、http://www.cgh.ed.jp/netiquette/)などを参照してください。