創立15周年を迎えて(西尾 章治郎)
サイバーメディアセンター長  
西尾 章治郎
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サイバーメディアセンターが平成12年度に創設されたのに伴って初代センター長を務めてから13年後の平成25年度より2度目のセンター長を拝命しました。

サイバーメディアセンターの設立当初、私自身が本センターで実現を目指したことは、ディジタルコンテンツから、情報メディア(データ)そのもの、通信メディアなどの多様なメディアを基盤とした、新たな形態での人間の知的活動、すなわち、新たな思索、発見、創造を促し、知的活動の大規模化、グローバル化を促すサイバースペースあるいはサイバーソサイエティを大阪大学キャンパス内に構築することでした。

現在、私は文部科学省内に平成26年6月に設置されました総合政策特別委員会の委員を務めています。平成28年度から開始予定の第5期科学技術基本計画が、今後、内閣府総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)において策定されて行きますが、本委員会では、そのCSTIにおける策定審議に資する文部科学省案を議論することが主要な目的の一つになっております。平成27年2月に公表された本委員会の審議に関する「中間取りまとめ」において、情報通信分野が第5期科学技術基本計画期間中に実現を目指す方向性として、「超サイバー社会」ということが謳われております。実は、その内容はサイバーメディアセンターが設立当初に目指した上記の内容と合致しており、その先見性については自負いたしております。

このように素晴らしいコンセプトをもって立ち上がった本センターも15年に及ぶ歳月を経て、その間、担当する業務も拡大の一途を辿り、事務組織についても情報推進部が新たに設置され、そこで事務業務が行われるようになるなど大きな変革を遂げてきました。

特に平成24年度には、情報関連事項について全学的な見地から審議を行う情報企画室において、情報に関する方策全般に関わる企画および運営を遂行する全学組織を設けることの必要性が鋭意議論され、その具体的な組織として情報推進機構が平成25年度から設置される運びとなりました。サイバーメディアセンターは、その組織変更にともない、私が再度のセンター長に就任しました平成25年度より情報推進機構の重要な一翼を担う組織として位置づけられ、その新たな体制のもとで諸活動を鋭意推進してまいりました。

一方、近年の情報通信技術の飛躍的な発展のもとで、日本の学術・科学技術の国際競争力を強化するにあたりアカデミッククラウドを全国規模でいかに構築するかが緊要の課題になっています。つまり、サイバーメディアセンターの設立当初本センターに託した機能を全国規模で実現することが重要であり、本センターがその主要な拠点としての役割を果たしていくことが求められています。

そのような機能強化を後押しするように、長年の懸案であったスーパーコンピュータ等を収納するITコア棟の新設、さらにサイバーメディアセンター本館の耐震・改修が平成26年度末に竣工しました。
平成27年度にサイバーメディアセンターは創設15周年という一つの大きな節目の年を迎えます。組織的な大きな改革のもとでの機能強化、また、建物をはじめとするさまざまな環境整備の遂行を踏まえて迎える創立15周年を契機に、サイバーメディアセンターのすべての教職員とともに、本センターが大阪大学、さらには我が国の学術・科学技術の国際競争力の向上に大きく資することができるようさらなる尽力をしてまいる所存です。皆様には今後ますますのご支援の程を何卒よろしくお願い申し上げます。