センター長より
サイバーメディアセンター長 
降籏 大介

デジタルトランスフォーメーション、データサイエンス、人工知能の時代に大学を支える組織として

 

 大阪大学サイバーメディアセンターは、旧大型計算機センター、旧情報処理センター、附属図書館(一部)を再構成し、本学の情報基盤を支える全国共同利用施設として、平成12年4月に創立されました。

 それから20余年の間、多くの利用者や民間企業等を含む関係各所の方々のご協力を得て、システムの導入・進展を図り、現在ではスーパーコンピュータとしてSQUID と OCTOPUS という2つの ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)システムに加えて、大規模・高機密データ利活用のさらなる発展を見据えたデータ集約基盤ONIONを有した、堂々たる ICT・HPCインフラストラクチャーを備える組織へと発展しています。

 インフラストラクチャーの構築にあたっては、これらの機器を納める専用の建造物として、空調効率を重視した ITコア棟を建設、活用しており、SDGsにも配慮した整備を忘れておりません。

 また、このような計算・情報資源を有する13の国内の大学や研究機関を基盤として運用される革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)、8つの構成拠点で構成される学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点(JHPCN)などの枠組みも活用して、学内外の大学・研究所の研究者のみならず、企業在籍の研究者にも広く利用いただくことで、本邦の科学技術研究能力の向上に確実に寄与することは、本センターの重要な役割の一つとなっています。

 

 現在、本センターではこうしたハードウェアの維持・管理・サービス提供に加えて、データ解析、ソフトウェアアプリケーションサービス、機械学習を始めとする人工知能(AI)、デジタルトランスフォーメーション(DX)といったICT全ての範囲での多様なサービス展開を進めております。

 たとえば大規模計算機システム公募型利用制度という利用者支援制度を独自に制定しておりますが、令和3年度からは人工知能研究支援枠を新たに設け、人口技能技術の研究者支援を始めています。

 また、本学の DX推進の一助となるべく、中長期的な経営ビジョンである OU(Osaka University)マスタープラン2027を達成するための実現加速事業を令和5年度より開始しました。このプロジェクトにより、場所を選ばずに高速で柔軟なネットワーク接続を可能にする Beyond5G、物理的・地理的制約等にとらわれない教育・研究環境を提供するメタバース、これまで各研究室・個人単位で管理・運営していた研究環境を統一して提供するデータアナリティクスサービスといったテーマにそってサービスを提供し、柔軟な認証機構等の導入が可能で入退館システムから成績管理まで一貫した省力化も可能なIDの導入も進めております。

 これらの活動は、本学のDXを研究・教育・運営のすべての方面から加速、推進し、本学の教員、職員、学生といったあらゆる構成員の活動能力の向上を助けるとともに、本学が広く国内外と繋がっていくための重要な礎となるものです。

 

 このように本センターは大阪大学、そして本邦の学術・科学技術における研究・教育能力の向上に大きく貢献することを目的として尽力しており、これからもその歩みをより力強く進めていく所存です。

 みなさまには今後とも、より一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

 

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