水野(松本)由子

宇宙飛行士への
夢から始まった、
ヒトと世の中のための研究。

Role model06

水野(松本)由子

兵庫県立大学大学院 教授

[ クロス・アポイントメント ]
大阪大学サイバーメディアセンター 特任教授(常勤)

滋賀医科大学医学部医学科 卒業
大阪大学大学院医学研究科内科系専攻 博士課程 博士(医学)
同大学大学院工学研究科情報システム工学専攻 博士後期課程 博士(工学)
同大学医学部付属病院精神科 研修医
同大学医学部付属バイオメディカルセンター 基礎系医員
同大学大学院基礎工学研究科 ポスドク・リサーチ・アソシエイト
米国 ジョン・ホプキンス大学 神経内科 ポスドク研究員
兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科 助教授(准教授)

研究について

ヒトの脳活動や心の動きを医学と工学の観点で研究。

精神科医の立場から、脳解析や生体情報解析に信号処理工学や情報通信技術を用いることで、病気を知るだけでなく、ヒトの脳活動や心の動きを詳細に調べています。研究成果を実社会に還元する応用情報学の観点に立つことから、医学と工学の両方の分野にまたがる学際的な研究となります。

クロス・アポイントメントでは、超スマート社会(Society 5.0)における学校や職場での快適度・集中力を、脳・神経機能計測によりモニタリングし、人の情動状態や屋内環境を調整するプロジェクトを推進。大阪大学の先生方、および兵庫県立大学の学生たちが一緒に研究プロジェクトを進めており、同じ大学内にいるような感覚で実践的に研究を実行することができています。キャンパスが広がったようであり、研究視野や活動範囲も広がっています。

研究との向き合い方、時間の使い方を客観的に。

日々の研究に終わりはなく、以前は夜遅くまで研究を行い、休暇先にもパソコンを持参していました。今は自分で決めた時間にたとえ作業途中でも終え、休暇先にパソコンを持参せず、人と一緒にいる時はスマホも見ません。その結果、むしろ研究を効率的に進めることができるようになったと思います。

さらに起床から就寝まで、何にどれくらいの時間を費やしたのかをその都度記入する時間⼿帳を作っています。一日の終わりには、研究、学生指導、事務仕事、プライベートなどを色分けと記号で要約。客観的に一日の行動を評価し、生活や活動を改善するように心がけています。

研究者となった今も、子どもの頃の夢の続きを。

子どもの頃は宇宙飛行士になって、宇宙の果てを見に行きたいと思っていました。自然現象について疑問に思うことを調べたり、解決方法を考えたり、結果を分かりやすく図にしたりすることが⼤好きだったので、結果としてそれが研究者につながっているのかもしれません。今は、宇宙の一部である生体の構造や機能を、特に脳の機能がどのようにヒトの精神活動に関わっているのかを探求したいと考えています。

愛と勇気で、自分自身と世の中の未来を切り開く。

私が10代でたどり着いた答えは、“人生で大切なことは愛と勇気”。研究は一朝一夕に回答を得られるものではなく、持続的に取り組み、新しいことにチャレンジしなければならず、自分と闘い続ける“勇気”が必要です。そして、その研究とは、世の中や人々を幸せにしたいという強い気持ちが支えていくのではないかと思います。愛は、自分自身や周囲の人、世の中への思いやり。どうか、愛と勇気で、自分自身と世の中の未来を切り開いていってください。

INTERVIEW