巻 頭 言

センター設立後の新たな展開


サイバーメディアセンター長
西尾 章治郎

 大阪大学サイバーメディアセンターが平成12年4月に発足して、1年余りの歳月が経過しました。その間、学内外の諸部局、諸機関のご協力、ご支援をいただきながら、大阪大学における情報基盤を支え、学内外の教育研究活動を支援する組織としての体制を整えて参りました。
 大学における教育研究環境については、改善していかなければならない課題が山積しており、情報基盤整備関連においても多くの課題があります。これらの課題をサイバーメディアセンターが中心となって一つでも多く解決していくべく最大限の努力をいたしておりますが、本センターの設立後、おかげさまでいくつかの課題が解決されつつあります。特に顕著なものとして、1)新スーパーコンピュータシステムの導入、2)電子図書館システムの構築、3)高速キャンパス情報ネットワークシステムの構築、4)豊中新棟の建築、をあげることができます。
 まず、平成13年1月より稼動しているNEC社製SX-5を中心とした新スーパーコンピュータシステムは、1.28TFLOPS(64bit精度の浮動小数点演算を毎秒1.28兆回)の演算処理能力と主記憶装置1.0TBを持ち、導入時点において国内最高性能システムであり、平成13年6月に発表された最新のスーパーコンピュータTOP500ランキング(http://www.top500.org/)において世界第8位にランクしています。
 次に、同様に平成13年9月より稼動予定の電子図書館システムは、ネットワーク配信可能な衛星放送受信システム、学内の全学生や教職員が可能な認証機能を備えた情報コンセントシステムやコンテンツサービスのためのデータベースシステムなどから構成されています。サイバーメディアセンターの設立により、はじめて実現可能となったシステムであり、意義深いものと考えます。
 また、平成13年11月より稼動予定の高速キャンパスネットワークシステムは、ギガビットイーサネットを中心として高速ネットワークシステムであり、セキュリティを十分に配慮したセキュア・ネットワークを実現します。
 さらに、大阪大学にける情報教育用教室の不足、他組織に場所を借りてCALLシステムを設置していたこと、研究部門の場所を各関連部局内に借りていたことなどをはじめとする諸問題を解決するため、豊中地区に豊中教育研究棟を建設する計画が認められました。平成14年秋に竣工する予定です。豊中教育研究棟は、基礎工学部の北隣、図書館新館の東隣に位置し、総面積7200㎡余りの地上8階建てとなります。西隣の図書館新館と併せ、豊中地区における学術情報交流ゾーンの一翼を担います。
 以上のように、本センターの設置によって、また予算措置がされることによって、大阪大学の情報基盤整備が確実に進められていることを報告できることに感謝いたしております。さらに、これ以外にも平成13年度末には汎用機システムの更新を控えており、本センターが中心となって、今後も最新の情報技術を取り入れた学内外の情報基盤整備と教育研究活動の支援を行っていく予定です。
 大阪大学が世界に誇れる情報基盤センターとして、大いに成果をあげるべく邁進していく所存ですので、皆様の一層のご支援、ご鞭撻をお願い申し上げます。