情報教育用計算機システムに関連した活動報告

初心者向け講習会の開催報告

日  時   平成12年10月13、26、30日
場  所   サイバーメディアセンターデータステーション第5教
講  師   永田智弘(SA)、 池本英貴(SA)
参加者   13名
日  時   平成13年5月18、23、25日
場  所   サイバーメディアセンター豊中教育実習棟第3教室
講  師   鈴木未央(SA)、川添朋律(SA)、高橋友彦(SA)
参加者   15名

概  要
 平成12年度より新しい情報教育用計算機システムが導入された。1年生には情報活用基礎などの授業によるシステムの利用説明がなされるが、平成13年度において3年生以上、編入生、1、2年生でシステムの利用に不安のある学生を対象に、情報教育用計算機システムの利用者端末を用いて、以下の内容の講習会を実施した。
=第一回目=
ログイン/パスワードの変更/電子メール/WWW/電子ニュース/ログアウト
=第二回目=
エディタ/AplicxWord(ワープロ)
=第三回目=
ファイル操作/リムーバブルメディアの使い方/パーミッションの変更/漢字コードの変更方法

授業担当教官への情報教育用計算機システムの説明会の開催報告

日  時   平成12年9月20日、21日
場  所   サイバーメディアセンター豊中(20日)・吹田(21日)教育実習棟
講  師   サイバーメディアセンター情報教育研究部門各教官
参加者   43名(豊中20名、吹田20名)
日  時   平成13年3月21日
場  所   サイバーメディアセンター豊中・吹田教育実習棟
講  師   サイバーメディアセンター情報教育研究部門各教官
参加者   8名(豊中3名、吹田5名)

概  要
 情報教育用計算機システムを用いて授業を行う教官のために、以下のシステム上のアプリケーションおよび授業支援システムの説明を行った。
ログインログアウト、パスワード変更 
デスクトップ環境 GNOME
ファイルマネージャ GMC
かな漢字変換 Wnn6、gEdit
ワープロ、表計算など Applixware日本語版
WWWブラウザ、メール Netscape Communicator日本語版
かな漢字変換 Wnn6
プログラミング言語 C、C++、Pascal、Fortran77、Java
数式処理 Mathematica
統計処理 SAS
PDFブラウザ AcrobatReader
外部メディアの取り扱い


情報処理教育研究会の開催報告

日    時 平成13 年3 月7 日(水) 14:00~17:00
場    所 サイバーメディアセンター豊中教育実習棟第三教室
プログラム
参 加 者 23 名

 情報活用基礎の授業を行っていく上での工夫として、学生による授業評価、プレゼンテーションの導入、 クラス分けのそれぞれについて、実際に実施された先生方による報告がなされ、活発な議論がされました。


情報活用基礎における学生による授業評価

概要
1学期の「情報活用基礎」において、学生による授業評価を実施した。概ね学生の評価は高いが、教 師やTA への質問が少ない、授業そのものが難しいという回答も多かった。これらは来年度への課題 であるが、授業担当の先生方と一緒に検討させていただきたい。
授業評価のアンケート項目を吟味していくことと同時に、自由記述欄もアンケートとして重要であろう、 という指摘がありました。また、「情報活用基礎」だけではなく他の授業科目でも授業評価を実施すること が望まれる、評価結果をフィードバックすることで授業改善が期待できる、という意見がありました。
 さらに、紙ベースでは集計作業などの手間が大きいため、電子的に集計できるWeb 版のアンケートシス テムを授業支援システムの一部として実現してほしいという意見がありました。これに対して、サイバー メディアセンター側から、受講登録学生の認証機能や、アンケート項目をカスタマイズできる機能が必要 となるので、今すぐに実現するのは難しいとの回答がありました。
 (注) この「情報活用基礎」での授業評価の報告は、大阪大学「共通教育機構だより」No.15 (2001.3) に 掲載されています。また、サイバーメディアセンターでは、教育用計算機システム上でWeb でアンケート をとれるように、開発作業を進めています。


プレゼンテーション演習導入の試み

概要
「情報活用基礎」において、プレゼンテーション用ソフトウェアを用いた発表演習を試行的に組み入 れた。1年生が対象であったが、学生の評判は大変良く、自主的に勉強したという学生も多い。導入 の目的、発表課題の内容、授業の進め方などについて紹介する。
今までにない演習形式であったため、多くの意見が出されました。いくつかを挙げますと、
といった意見がありました。これらに関しては、今後、試行錯誤していくことになると思われます。逆に、プレゼンテーション演習は「情報活用基礎」というリテラシーの授業でとりあげるべき内容なのか、という疑問に対して、他にそういった授業がない現状では取り上げても良いのではないか、といった議論も行 われました。さらに、中西先生から、2 学期の「情報科学特論」(全学対象)において、学生4 人程度で1 グループを構成して、情報倫理に関するプレゼンテーションをさせたという事例紹介がありました。
 (注) 中村先生によるプレゼンテーション演習の事例報告が、本フォーラムの特集の中に記事として掲載 されていますので、参照して下さい。


情報活用基礎におけるクラス分け教育の評価

概要
人間科学部における「情報活用基礎」では、数年前から学期途中でクラスを再編成して授業を行ってきた。アンケート調査や実技試験によるクラス編成の長所短所、および編成の効果を統計的に調査した結果を報告する。


 入学前のコンピュータ利用経験のばらつきが大きくなってきたので、平成12 度は第1 回目の授業で利用経験などをアンケート調査し、その結果をもとに習熟度別に3クラスを編成して、中間試験まで同じ授業 内容で授業を進めたという報告でした。H11年度までと同様に、中間試験以降はその成績に従って、クラスを再編成するという授業方法をとっているそうです。
 習熟度別クラスのクラス分けに適合できずに単位が取得できないようなことはないか、という質問に対しては、単位が取れなかった人は主に出席点が悪くて落ちていること、また、期末試験で上位クラスの平均点が他のクラスより落ちる理由に関しては、ある程度できているから逆に授業を聞かないからではないか、といった議論がされました。
 平成8年度にもアンケート調査によるクラス分けを実施したが、その時よりも今回のクラス分けのほう がうまくいっている理由は、質問内容を工夫した効果というよりも、時代の変化による可能性も考えていく必要があるだろう、という意見も出ました。アンケート項目で「自宅にパソコンがあるか」といった操作経験の度合に一見関係しそうな項目も、実は相関があまり無かったので削除した、といった回答があり ました。
 習熟度別クラスで、下位のクラスに対してTA を増やすなどのケアをしてはどうかという意見に対しては、TA を増やすのではなく、授業をより丁寧に行うなど授業方法を工夫して対応した、といった議論がなされました。また、他の学部の授業では、クラス分けをせずに、できる学生への対応よりも全員がコン ピュータを使えるようになることを重視した、という意見も出ました。
 (注) 講師らによる能力別クラス編成の実践に関しては、いくつかの学会報告がされていますが、最新の 発表は次のものです。
・中西通雄, 原田章, 菅野剛: “コンピュータ利用経験によるクラス分けとリテラシー教育の授業方針”, 教 育システム情報学会(JSiSE2001), 第26 回全国大会, pp. 251?252 (2001.8.7~8.8).