教育用計算機システム利用者ガイドライン

1 はじめに

 この利用者ガイドラインは、教育用計算機システムに関係する各種の規程などをわかりやすく解説したものです。すべての利用者は、この利用者ガイドライン(指針)をよく読んでから教育用計算機システムを利用してください。
 各種の規程とは以下のものです。まず、教育用計算機システムの利用については、「教育用計算機システム利用規程」と「教育用計算機システム利用細則」があります。また、教育用計算機システムは大阪大学総合情報通信システムに接続して運用されていますので、教育用計算機システムのすべての利用者は、「大阪大学総合情報通信システム運用管理要項」および「大阪大学総合情報通信システム利用者ガイドライン」を遵守しなければなりません。
 この利用者ガイドラインは、変更することがあります。変更した場合は、掲示版に掲示するほか、電子ニュース等の電子的な手段で広報します。常に最新の利用者ガイドラインを参照して下さい。

2 教育用計算機システム

 「教育用計算機システム」とは、CALL教室を含む教育実習棟及び教育研究棟の教室、または分散端末室のコンピュータ、通信機器、およびそれらの上で動作するソフトウェア群によって構成されるシステムをいいます。このシステムは、サイバーメディアセンターによって管理・運営されています。このシステムの利用目的は、教育用計算機システム利用規程に記載されているとおりです。

3 違法行為と不正行為

 コンピュータ上およびネットワーク上の行為にも、日本国内においては日本国法が適用されます。コンピュータは治外法権ではありません。教育用計算機システム上で行われるすべての違法行為を、教育用計算機システムにおける「違法行為」と呼びます。ただ、いうまでもないことなので、違法行為を禁じる条項は教育用計算機システムの利用者ガイドラインには含まれていません。また、「法に触れない行為」と「していいこと」は違います。特に教育的見地から、教育用計算機システム上で行われる、倫理に反する行為及び著しく利用マナーに反する行為を、「不正行為」と呼びます。
 教育用計算機システムは大学の施設ですので、大学の施設を用いて無断で行ってはならないことは、教育用計算機システムにも適用されます。教育用計算機システムを利用して財産的利益を得ること、例えば、プログラミングのアルバイト、家庭教師や塾講師のアルバイトのための文書作成は行ってはなりません。
 目的外利用を含めた不正行為のうち、他人のアカウントを使用することや他人に自分のアカウントを使用させること、およびシステム運営業務の妨害行為は特に悪質な不正として取り扱います。悪質と判断した利用者に対しては、利用資格の停止や制限を行います。また、大阪大学通則や大阪大学大学院通則の規則にしたがった懲戒が行われることがあります。
 教育用計算機システムを利用するうえで、他人のパスワードを知る必要は全くありません。したがって、他の利用者や教育用計算機システム運用管理者のパスワードを調べる行為や知る行為は、それを用いてコンピュータの不正利用を行なうための準備行為とみなされます。このような、不正行為の準備としか考えられない行為を「不正予備行為」と呼びます。不正予備行為は、不正行為と同じように扱います。

4 講義/演習中の不正行為

 講義や演習中に教育用計算機システム利用規程に反する行為が行われた場合、それが講義や演習にとっての不正行為かどうかとは独立に、教育用計算機システム利用規程を適用します。CALL教室を含む教育実習棟及び教育研究棟の教室、または分散端末室における講義や演習における、カンニング、代理出席、他人のレポートのコピーの提出などに対しては、一般の講義室における場合と同じように扱います。つまり、不正行為への対処としての出席の不認定、単位の不認定等は、一般の講義室における場合と同じように、各学部規程に従います。
 例えば、ある学生Aが自分のログイン名とパスワードを友人Bに教えて、教育用計算機システムを利用する講義の代理出席を行った場合を考えてみましょう。他人のアカウントの利用をし、またさせているので、A、Bともに教育用計算機システムの不正利用者として扱います。教育用計算機システム運用管理者は「代理出席を行ったこと」に対する処分内容には、関知しません。担当教官は、裁量により出席点を減点をしたり処分を猶予したりするかもしれません。

5 他組織への侵入

 教育用計算機システムのネットワーク環境は、「ファイアーウォール」と呼ばれるネットワーク機器を用いることにより、他のネットワークとは直接の通信ができないような制限を加えています。これは、他組織からの不正侵入や、他組織への不正侵入を防ぐための措置です。
 大阪大学から他組織のネットワークへ不正に侵入した場合、大阪大学全体が外部のネットワークとの接続を切られるだけなく、場合によっては国際問題に発展する可能性があります。このようなことから、本システムのファイヤウォールの管理を厳重にしています。利用者のみなさんは、他組織への侵入を試すようなことは、絶対にしないでください。
 また他組織のネットワークへの不正侵入以外にも、大量の電子メールを送りつけるなど他組織のシステムの運営妨害を行なった場合は、侵入と同様に扱います。また、パスワードの付け忘れなど管理上の手落ちのあるコンピュータであっても、侵入してはならないことに変わりはありません。これは例えば、鍵をかけ忘れた家でも無断では入ってはならないのと同様です。

6 センター資源の過剰な利用

 「過剰な利用」はどこからが過剰になるかがわかりにくいという問題がありますが、結局は、どれだけ迷惑をかけるかによります。例えば、共同利用のコンピュータ上で大きなサイズのプログラムを実行したり、多くのプログラムを同時に動作させて他の利用者の利用を圧迫することが過剰な利用になります。例えば、電子メールを大量に発信することは運用妨害につながります。どこからが大量とみなされるかは、電子メールのサイズによります。数Kバイトの電子メール(テキスト形式で数100文字)ならば、200人のクラスメイト全員に送ってもたいして迷惑にはならないでしょう。数Mバイト(1Mバイトは1024Kバイトに相当)のサイズの電子メールなら、数10通でも迷惑です。
 CALL教室を含む教育実習棟及び教育研究棟の教室、または分散端末室では席数が不足気味ですから、コンピュータを長時間占有することもやめてください。たとえば計算結果が出るまでに24時間以上かかるような大規模な計算処理が必要な場合は、各講座所有のコンピュータで実行するか、教育用計算機システム運用管理者へ相談してください。

7 知的財産の尊重

 著作物およびソフトウェアの著作権を尊重することに心がけて下さい。教育用計算機システムに導入されているソフトウェア(フリーソフトウェアを除く)およびドキュメントをコピーして持ち出してはいけません。フリーソフトウェアを外部から持ち込んで利用する場合には、利用者個人の責任のもとに行って下さい。
 著作物の無断コピーに教育用計算機システムを使わないで下さい。著作権法では、私的使用の場合に関する例外事項の規定があります。教育用計算機システムは利用者の私物でも家庭内でもないので、教育用計算機システムの計算機の利用は私的使用にはあたらないと考えられます。
 電子ニュースの記事は一般の著作物と同じです。著作権を侵害しているかどうかの判断は非常に難しいですが、例えば、電子ニュースの記事に、出典を明記せずに著作物(歌詞などを含む)の一部を引用することや、出典を明記しても著作物の全部を引用することなどは著作権を侵害していると考えられます。

8 盗難、物品毀損行為など

 当然のことなので教育用計算機システム利用規程には明文化してありませんが、教育用計算機システムのコンピュータやその部品あるいは未使用のプリンタ用紙などを外へ持ち出すことは、窃盗罪となります。
フロッピーディスク、CD-ROM、ZIP、MOなどの装置に異物を入れるなど、故意に故障を引き起こす行為も犯罪行為です。なお、フロッピーディスク装置、MO装置およびZIP装置は形状が似ているため、媒体を入れる際に間違えやすいので注意してください。

9 運用妨害の禁止

 コンピュータやプリンタの電源の操作及びリセット操作は行ってはなりません。例外は、発煙したなどの緊急時、教育用計算機システム運用管理者が操作を指示した時です。
 教育用計算機システムの運用を妨害するような行為(他の利用者のファイル消去、故意のネットワーク妨害など)が発生した場合には、厳重な処分を行います。経済的な被害を与えない行為でも、教育用計算機システムの運用妨害となる行為はしてはなりません。電源プラグやコネクタを外すなどの物理的な行為の他、処理不能データの入力、ウィルスの送付など間接的な行為も違法行為です。
 教育用計算機システムは多くの利用者が交互に利用します。ログアウトした後も処理を続けるバックグラウンドジョブの使用は、そのコンピュータを次に使用する人の作業の妨げとなるので禁止します。

10 ファイルの扱い

 教育用計算機システムの各利用者は、教育用計算機システム内に、ある一定量のファイル領域を割り当てを受け、その管理を委任されています。しかし、ファイル領域はあくまでも大阪大学の資産の一部であり、利用者の私有物となったわけではありません。教育用計算機システムで用いている基本ソフトウェアは、利用者相互の協調作業の利便を考えて作られています。そのため、ある利用者のファイルを他の利用者からも読める(すなわちコピーできる)ように、ファイルの保護モードを各利用者が設定することもできます。利用者の設定ミスによって、思いがけずファイルを他の利用者に読まれてしまうことも考えられます。このため、他の利用者に読まれたくないファイルは、教育用計算機システム上に置かないほうが安全です。

11 本システムの運用管理について

 教育用計算機システム運用管理者は、不正行為を発見した場合に、当該のアカウントの封鎖やコンピュータの利用一時停止等の緊急措置を行います。不正行為に使われたアカウントが盗用されたものであった場合、結果として盗用の被害者の利用を停止することになりますが、盗用の事実を確認後、利用権を復活させます。
 利用者の氏名、入学年、所属学部、ログイン名等、また本システムの利用頻度等は秘密情報としては扱いません。また、匿名で本システムを利用することはできません。
 教育用計算機システムは教育用設備ですから、利用者の財産権に関わる情報(クレジットカードの番号、キャッシュカードの暗証番号など)や、個人の私生活のプライバシーに関わる情報は、システム内に置かれることはないはずです。教育用計算機システム運用管理者は、可能な範囲で利用者のファイル領域のプライバシーを尊重します。
 ただし、不正なファイルの存在等については、定期的な自動探査を行ったり、必要に応じて手動操作による内容の監査等を行うことがあります。また、機器故障の対策として、利用者の個人ファイル領域を教育用計算機システム運用管理者が磁気テープ等にコピーし、保管することがあります。さらに、特定の名前を持つファイルは一時作業用ファイルとみなして定期的に消去します。自動消去の対象となるファイルは、別途広報します。
 教育用計算機システムのコンピュータに暗号化したファイルを保管することは不正行為ではありませんが、何らかの不正行為の手段としてファイルの暗号化を行なっていると推定される場合には、内容の開示を当該利用者に要求することがあります。
 また、ファイル領域の使用量や受信した電子メールのサイズには制約があります。この制約を越えた利用者に関しては、ファイルや電子メールの消去を行なうことがあります。また、長期間読まれないまま放置されている電子メールは、教育用計算機システム運用管理者が削除することがあります。

12 不正利用などに関する処分

 コンピュータの盗難や破損は、その他一般の大学施設の盗難や破損の場合と同じように扱います。不正行為の継続を防ぐため、あるいは発生を防止するための、アカウント停止等の緊急措置は、それを発見した教育用計算機システム運用管理者の判断で即座に行います。不正行為が行われた事実が判明した後の処分の決定に際しては、委員会を設けて審議を行ない、その結果に基づいて執行します。

13 ネットワーク・エチケット

 一般にネットワークを快適に利用する際に注意すべきことがいくつかあります。これらは、主に「ネットワーク・エチケット(略してネチケット)」と呼ばれるものです。ここではそれらのうち、電子メールや電子ニュースを利用する場合に特に留意すべきことを列挙しておきます。詳しくは、ネットワーク・エチケットのWebサイトなどを参照してください。

参考文献

(1) 大阪大学サイバーメディアセンター,“教育用計算機システム利用規程,” 2001年10月
http://www.cmc.osaka-u.ac.jp/foo/bar.html.
(2) 大阪大学サイバーメディアセンター,“教育用計算機システム利用細則,” 2001年10月
http://www.cmc.osaka-u.ac.jp/foo/bar.html
(3) 大阪大学,“大阪大学総合情報通信システム運用管理要項,” 2001年10月
http://www.cmc.osaka-u.ac.jp/foo/bar.html
(4) 大阪大学,“大阪大学総合情報通信システム利用者ガイドライン,“ 2001年10月
http://www.cmc.osaka-u.ac.jp/foo/bar.html
(5)“ネチケットホームページ,”
http://www.cgh.a.netiquette/
(6)大阪大学“大阪大学総合情報通信システムホームページ,”
http://origin01.odins.osaka-u.ac.jp/odins/