情報科学科1年生向けの科目「プログラミングA」について


牧 一之進 (大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻)

1. はじめに

私は「プログラミングA」という科目を担当しました。この科目は基礎工学部情報科学科1年次に開講されており、講義と演習から成り立っています。講義では主にプログラミングの基礎概念を学びますが、演習では講義で学んだことを修得するだけではなく、計算機の基本的な操作方法やレポートの書き方なども学びます。私は演習を担当しており、今年度で3年目になりました。


2. 演習内容

「プログラミングA」は1年次に開講されるため、情報科学科とはいえ学生は計算機を初めて扱うものとして、まず計算機の基本的な操作方法を演習2~3回を使って学びます。サイバーメディアセンターで用意されている「利用の手引き」を参照しながら、ログイン・ログアウト操作、エディタの操作、メールの送受信方法などを学びます。ただ、多くの学生が自宅で計算機およびインターネットを利用しているようで、退屈しているのは事実です。私も学生の頃にこの科目を受講しておりましたが、その頃と比較すると、計算機を扱う学生の能力は格段に向上していると感じます。もちろん、今まで一度も計算機に触れたことがない学生もいますので、マウスの使い方といった初歩的なことから教えています。計算機の使い方を修得した頃から、この科目の主目的であるプログラミングの基礎概念を学ぶための演習を始めています。私の場合、演習の前日までに講義の進度状況に合わせて演習課題を作成し、これと先週分の解答を研究室のWebサーバに置いておきます。演習時間中は、まずWebページにある解答をもとに先週分の復習をし、その後、今週分の演習課題を取り組んでいくという形になります。その間、私とTA(Teaching Assistant)の4名は演習室内を巡回し、学生からの質問に適宜答えていきます。学生から同じような質問が出る場合は、これに対しての解説を行いますが、基本的には自学自習をしてもらっています。
最初の頃はこちらから積極的に学生に声をかけて、進度に遅れが出ないようにしていますが、6月頃からは質問も学生の自主性に任せるようにしています。
講義で学んだことを確実に修得してもらうために、レポート課題を2回程度課しています。1回あたり教科書3章分の内容を理解するための規模のプログラムで、2週間程度の猶予を与えています。


3. サイバーメディアセンターでの演習

サイバーメディアセンターの演習環境は素晴らしいと思っています。学生は1人1台計算機を利用できるのは当然ですが、教官画面出力用ディスプレイが2人につき1台設置されており、学生が教員のやっている作業を視覚的に捉えることができます。また、使用できるソフトウェアも非常に多く、学生は様々なことに挑戦することができると思います。教員にとっても教える上で便利な機器がたくさんあります。先に挙げた教官画面出力ディスプレイもその1つですし、持ち込んだPCの画面を簡単にそのディスプレイに出力することができます。そのような機器の他に授業支援システムも充実していると思います。残念ながら私はまだ利用していませんが、学生により学びやすい環境を提供するために早い段階で授業に取り入れていきたいと思っています。数年前までは、システムが非常に不安定でサイバーメディアセンターをあまり利用したくないという気持ちがありましたが、最近はそのようなことはなくなりました。ただ、学生はOSがWindowsでないことにやや不満を持っているようです。個人的には、情報科学科の学生にとっては非常に良いことだと思っています。授業時間以外はサイバーメディアセンターを利用しないという学生が多く、自宅で課題に取り組んだときに、Linuxとのアプリケーションとの互換がうまくいかなかったというケースが多々あるようです。


4. あとがき

以上、私が担当していますプログラミングAとサイバーメディアセンターの利用を通じての感想を述べさせて頂きました。学生には自主的に学習してもらうよう努めておりますが、この目標を達成するにあたって十分な環境がサイバーメディアセンターには備わっていると思います。