TA(Teaching Assistant)の声



☆これからCALLの講義を受けられる学生の皆様は幸運です。皆さんをエキサイティングな英語体験へといざなう、今までにはないタイプの授業が待っているのです。もちろん、コンピュータはあくまでもツールであって目的ではありません。しかし、普段の授業に比べて先生方の気合の入れ方は半端じゃなく大きく、コンピュータを自分の授業でどのように使うかと言うことを真剣に考えておられます。そのため、各先生によって授業形式が全く異なりとてもユニークなものとなっています。私が担当した先生方の授業では、学生がその中で自分の役割というのを強く意識できるものとなっていました。学生が授業に積極的に参加することができる。これまで日本の大学教育の中でどうしても踏み出せなかったこの領域に、CALLの授業は易々と入り込んでいます。私はTAとして授業に参加させていただいていますが、既に学生の皆さんや先生方の大半がコンピュータを使いこなされているため、仕事という仕事もなく、ほとんどモグリの受講生と化しています。私の学部生時代にもこんな授業があればなぁ、と羨ましがりながら・・・利用しやすいことにびっくりしました。使えるアプリケーションも豊富で、普段皆さんが利用していないアプリケーションでも、使ってみると意外に役に立つのではというものもありました。せっかく、自由に使える素晴らしい環境があるのですから、もっといろいろ触って、新しい発見をしてほしいと思います。

★CALL☆TA★CALL☆TA★CALL☆TA★CALL☆

☆M2よりCALL授業にTAとして係わって3年目に入った。この間、コンピューターがどんなに多くの可能性を外国語教育にもたらしているか、驚かされ続けている。実際にCALLに携わる前は、授業内でのコミュニケーション不足を心配したが、実際の授業では、インターネットを使って集めた生の教材を仲間内でやりとりしたり、グループ発表するためにパワーポイントを手分けして大騒ぎで作るなど、学生同士の相互関係性が通常の授業より高いのではないかと思い始めた。また学生間を回っているTAにもそのコミュニケーションのベクトルは向けられ、TAと学生も多く触れ合うチャンスに恵まれる。そのやりとりの中で、私自身、質問に答えられなかった自分を発見をすると同時に学生の正直な感想を垣間見るなど、多くのことを学生から学んでいる。
 またこの相互作用の中で、自分が先生の指示を待って動くTAではなく、力不足ながらも、TAなりの知識と経験で学生を少しずつサポートしようとしていることに気がついた。結果、CALLのTAをしながら学生に教えられ、また自分自身も先生の監督下で成長していると実感している。
 コンピューターは、「どのように使うか」で大いに議論が分かれるところではあるが、一昔前では不可能であると言われていたコミュニケーション主体の授業にさえも大きな可能性を開いたと言える。
 しかし逆にコンピューターに使われてしまうと、しばしばトラブルに巻き込まれることになる。資料配布がうまくいかない、また出席を取るためだけにかなりの時間がかかるなど、反対に学生の学習する権利を脅かす場合もある。その時、言語系TAの私はなんとも言えない不甲斐なさで心が一杯になるのだが、このようにサポートしきれないことは珍しくはないのである。学期前にTAのためのサポート講習会がサイバーメディアセンターで繰り返し開催され、進んで参加するものの、やはり所詮、自信がないものなのでついつい誰かに頼りたくなるが、その授業でTAが一人っきりだとかなり心細いのである。
 現在、TA雇用について統一があまりなされておらず、ある教師によっては言語系TAに機械操作すべてを一任する、またある教師は言語補助、機械補助とTAを複数受け入れ、その役割を分担していたりとまちまちである。機械補助を最初から目的とするTAには、その作業に混乱はないが、言語補助であると、どの教師に採用が決まるかで作業の内容がまちまちであり、また事前にコンピューター、及び機械操作の技術を習得しなくてはならず、大慌てをすることになる。そのため特にCALL授業では「TAとは何か」「TAは授業で何をするのか」を明確にするようなガイドラインがあればTAにとっての混乱も少なく、また同時にTA育成の機関としてもその発展が望まれるだろう。このように「鍛えられる」CALL授業に、これからも積極的にかかわっていきたいと思う。

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☆今年度からCALLシステムを使ったフランス語の授業のTA(Teaching Assistant)を務めることとなった。文学研究においても、コンピュータを用いての情報処理が大きな役割を果たす今日ではあるが、私自身、コンピュータを自在に操っているとは到ため、事前に幾度かTAを対象としたCALLシステムに関しての講習を開いていただけたのは本当にありがたかった。そこで得たのは、私はCALLシステムに関しての講習を一通り聞いたのだというあまり根拠のない自信と、いざとなればサイバーメディアセンターのスタッフの方々が駆けつけてくれるのだというかなり無責任な安心感だけであったが。システム自体の価値を云々言うだけの見識を持ち合わせない私は、実際にTAを務めてみての感想を記すにとどめよう。
 授業時間の前後に、学生から質問を受ける機会が幾度かあった。やはりTAを務めていて一番楽しいのは、学生の質問に答え、その学習の手助けができたと実感できる瞬間であろう。しかし、私が受けた質問は、そのほとんどがコンピュータに関することであり、フランス語に関する質問があまりなかったのが少々残念であった。しかし、そこはやはり理系クラスだけに、パソコンとフランス語が並べば、自然とパソコンの方に興味が行くのはある程度やむをえないことか。そのような機会には、なんとか学生の興味をフランス語に向けさせようと試みるのだが、うまくフランス語の魅力を学生に説けない自分が歯がゆい。
 だが、授業中ともなればそんなことは言ってられない。如何に学生の興味をフランス語に向かわせるかが教師の腕の見せ所となるのだが、私が担当したクラスの先生は巧みな話術でうまく学生を授業に引き込んでおられたように思える。もちろんCALLシステムを用いたフランス語の授業は、コンピュータかフランス語かの二者択一を学生に迫るものではなく、コンピュータを通じてフランス語を学ばせるということが大前提なのは言うまでもないが、その点においてもパワーポイントを用い、画像、音声を巧みに組み合わせた授業は、大変わかりやすいと学生に評判だった。こうなるとTAの役割は、小テストの採点、宿題の確認、学生のパソコンに不具合が生じたときの対処(もう一人のTAにほぼ任せきりだったが)に限られてくる。
 当初、学生によってはパソコン操作の習熟度にかなりの違いがあるのではないかと思っていたが、実際にはすべての学生が自在にパソコンを使いこなしており、あらためてパソコンの普及度を痛感させられた。同時に、拙いパソコン操作の技術しか持たない私でも、学生に何らかのアドバイスを与え、得意になる機会があるのではないかという淡い希望は敢え無く潰えたのであった。
 あまり語学に関心を持っていない学生にとっては、CALLシステムを用いた語学の授業は、以前の授業より確実に面白く、親しみ易いものになっているはずだ。それでも、語学を習得するためには、その言語に興味をもつということが絶対不可欠であろう。CALLシステムを用いたフランス語の授業において、パソコンを自在に操ることのできないTAが貢献できることは、学生のフランス語への興味を高めることのみであるように思われる。だが、それこそTAが果たすべきもっとも重要かつ困難な役割だと信じている。

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 私がTAを担当させていただいた英語のクラスでは、BBC World Newsを教材とした授業が行われていた。実際のBBCのニュース映像を収録したビデオテープと、その音声だけを収録したカセットテープの2つが主に利用されていた。
一回の授業につき約10分前後の長さのニュースがメイントピックとして扱われ、次のように進められる。

1.ビデオのニュース映像を各生徒の端末に表示させ、3~4回繰り返し見させる。
2.ニュースの内容に関連する質問を学生にいくつか口頭で答えさせる。
3.ニュースの音声をソフトテレコで聞きながら、各自で教師の用意した小テストに回答する。

 ビデオのニュース映像は教師側のビデオデッキで再生したものを、ソフトウェアを通して学生側のディスプレイに表示させる。
 一方、カセットテープに収録されているニュース音声は教師がデジタルデータに変換し、学生はそれを利用する。この、教材をデジタル化するという手法が、クラスにおいて非常に効果的であると考える。
 まず、デジタルデータに変換されたニュース音声ファイルは教師があらかじめサーバー上にアップ。ロードしておくため、学生は教材を忘れる心配がない。ロードしておくため、学生は教材を忘れる心配がない。  さらに、学生は各自の端末にファイルをダウンロードすることで各自のペースに従って小テストを進めることができる。また、カセットテープと違ってパソコン上に存在するデジタルデータであるため、任意の箇所を簡単に繰返し再生することも可能である。
 特に、音声関連の教材の場合、それがテープにしろCDにしろ、持ち運びの煩わしさや、再生機器の確保といった問題を、従来は考慮する必要があった。しかし、デジタルデータとしてサーバーにアップロードしておけば、パソコンとネットワーク環境さえあればどこからでも再生することが可能になる。
 現在はパソコンの性能や通信回線の速度の制限によってビデオ教材のデジタル化の利用は不可能であったが、機器の発達によってそれも可能となる日は近いであろう。今後のCALL教育に一層期待がもたれる。